【活動レポート】育休、いいとも!第4期vol.1「コロナの不安を吹き飛ばせ!〜『ちゃんとしなきゃ』から卒業して有意義な育休を過ごすには?」


5月の「育休、いいとも!」のゲストは「私、ちゃんとしなきゃから卒業する本」を出版された株式会社アドラブル代表・魅力ラボ主宰の小田桐あさぎさんです。


★「育休、いいとも!」とは・・・★

育休をユニークに過ごした人や、育休で人生を変えた人をゲストに迎えて、オンラインでお話をお伺いするイベントです。

通常はMIRAISメンバー限定で視聴可能なイベントですが、今回は特別イベントとして、MIRAISメンバーだけでなく全ての産育休者を対象にしたオープンなセミナーとして開催しました。


【ゲスト紹介】

小田桐 あさぎ

〈株式会社アドラブル 代表取締役社長 魅力ラボ 主宰〉

1983年札幌生まれ。2012年に出会って2週間の男性と結婚。第一子の妊娠中に「母、妻、社会人、女性、自分。全てを自分らしく両立したい」という思いからブログを開設。独自の恋愛・家庭・仕事論が好評を博し、月間30万PVの人気ブログへ。コンサル依頼が殺到し育児休暇中に起業。女性が自分らしく魅力を開花させるスクールは3年間で300名以上、セミナーは5000名以上の女性が受講。20代後半~40代後半の女性からの支持が厚く、SNSのフォロワーは4万人以上、「VERY」など女性向けメディア掲載歴も多数。

著書に「嫌なこと全部やめたらすごかった」「「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本」がある。


当日は約140名の方にご参加いただき、対談の後には参加者同士が感想を共有し交流する場も設けました。


まずは大いに盛り上がった代表栗林と小田桐さんの対談の様子をお届けします!


ーーあさぎさんは一人目の育休をどのように過ごされていたのでしょうか。

2016年1月から産休だったのですが、その2週間前にブログを開設して、それから毎日5時間くらいブログを書いていました。

当時私は産育休中や復帰後の過ごし方でとても悩んでいました。当時はMIRAISさんのようなコミュニティはなかったので、何か自分で見つけなきゃと思っていました。同じように悩んだりしているお母さんは私の周りにいないだけで、きっと世の中にはいるはず。

そういう人と出会うには、まずは私はそういう思想を持っている女です、っていうのを世界にアピールしようと思いました。

最初は「戦略的ワーキングマザーへの道」というブログのタイトルで、私が戦略的ワーキングマザーを目指していくブログにしようとしていました。本を読んだり様々なブログを読んだりして書き始めようと思ったのですが、当時の私は妊娠中だったので、まだママじゃない。書くネタがなかったんですよね。

考えてみれば、育児と仕事を両立するには夫の協力が不可欠。結婚相手選び、なんなら恋人選びの段階から戦略的ワーキングマザーへの道が始まっていると気づきました。

なので、結局、男性との出会い方やパートナーの見つけ方の恋愛ブログのような形で始めました。

そうしたらそれが思いの外読まれるようになり、セミナー開催の要望があり、臨月でセミナーを初めて開催することになりました。


ーーブログを書くところから始まったのですね。それが今に繋がっているというのはすごいですね。振り返ってみみると、あさぎさんの育休というのは何だったのでしょうか。

もう、転機ですよね。

育休というのは人生を振り返る絶好のタイミングですよね。ワーキングマザーワールドって、何も考えたり準備せずに飛び込んだら絶対にやばいことが目に見えているじゃないですか。


ーーコロナの状況で気軽に子供と外出ができなかったり、子連れ旅行とかも全部キャンセルになったり、育休の楽しみにしていた過ごし方が今できないですよね。あさぎさんも今3ヶ月目に入るお子さんがいらっしゃいますが、こんな中で有意義な育休を過ごせると思いますか。

私も育休中の身ですが、今だからこそ準備をしていますね。

遊びに行けない、外出もできないなんて、これほど良い機会はないじゃないですか。誘惑がないから仕事するしかないと思っています。私の一人目の育休みたいに、ブログを書き出すというのも本当におすすめですよ。


ーーあさぎさんの話を聞いて、ちょっとブログやってみようと思った人もいると思います。

でも、あさぎさんみたいにそんな有名じゃないし、誰も反応してくれなかったら寒い、といったことが脳裏を過っている方がいるのではないでしょうか。

MIRAISの皆さんがもしそう思うとしたら、この環境の素晴らしさを理解していないですね。

このコミュニティ内では「新しくブログを開設しました、見てください」ってリンク貼れば、最低でも10人ぐらいは見てくれるでしょう。素晴らしいポテンシャルだと思います。

今なんて全く無名の人がいきなりFacebookに「ブログ開設しました」なんて送っても誰も見てくれないですけど、仲間がいればみんなで見せあって、みんなで伸ばしていくことができますよね。

私も起業初期はブログで仲間を見つけてアップして、シェアして、というのを繰り返していました。

当時からの友達は戦友ですね。


ーー1人で始めない。仲間を見つけながら始めるのが大事ということですね。

ーーあさぎさんの著書「「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本」の中に書いてあった、あさぎさん的子育てについて教えていただきたいと思います。「一番大事なのは自分。子供ではなく、家族でもなく、一番大事なのは自分。自分が最優先」というところが、多分ちゃんと理解してない人がいるかなと思って。これについて、あさぎさんから教えて頂けますか。

やや厳しいことを言うと、育児では自分(=母親)が最優先ということは真面目な育児書には大抵書いてあります。専門家からしたら、母親のメンタルの安定が一番大事なんです。

私自身も産育休中に論文を読んだり、有名大学で乳幼児に関する研究を行っている学部に話を聞きに行ったり、研究に付き合ったりしましたが、最終的には「自分を一番大事にすることが、子供にも家族にもいい影響を与える。それが一番」っていうところに辿り着きましたね。


ーー世間の認識がずれているのですね。それに家族が一番、自分は二番というような風潮がありますよね。

結局は優先順位ですよね。

世の中のお母さん方は「自分を大事にしましょう」と言うと、子供も大事にしながら、家族も大事にしながら、世間の人たちからも批判されないまま、自分を大事にしようとします。

でもそれは無理ですよね。

物事って本当にうまいこと出来ていて、絶対にどこかで帳尻が合うようになっています。

だから自分が我慢することによって消化できているかと思いきや、その矛先は別の場所に向かってるのですね。

例えば、最初に「イライラしちゃいけない」って我慢した矛先が、ちょっと子供が水をこぼしたら「もう!」ってなるような。

我慢は無くなっていなくて、その矛先が家族に向いたりするのですが、一番は自己否定に向かってしまいます。「自分はダメな母親」と。そうすると、家庭はハッピーにはならないですよね。

ーーならないですね。自分を否定していたら他人も否定せざるを得ないですよね。

あとは、海外の子育て方法を知ったのが大きかったかもしれないです。

何で海外の子育て方法を見るかというと、海外を参考にしたいと思っているわけではなく、普遍的な部分がどこかを知りたかったからです。人間は古代から人間関係やお金のことで悩んでいて、現代でも変わっていません。でも子育て方法は国によって変わりますよね。国によって変わるということは、それは普遍的な部分ではないってことです。

それを見つけるためには、他の文化ではどうしているのかを知るようにしています。

例えば、「これは日本で当たり前だけど、他の国では当たり前じゃない」ということは、つまり普遍ではないということです。

ということは、これはやらなくてもいいことだね、というように判断していたのです。

そうやっていくと、いかに日本の子供を最優先にする子育て法が変わっているのか、がわかったのです。

ーー普遍を見つけるために他を比較したということですね。確かに会社にいると、サービスなどを出すときに、他社の情報はどうなんだ、みたいに比較するじゃないですか。

子育てって、なんかマイワールドというか、同調に走りがちですよね。

何ヶ月から寝返り打てる、とか歩けませんだとか、比較していても比較対象がクローズドになっていますね。

問題だと思うのは、子育て中の悩み相談。例えば「母乳をいつやめよう」で検索すると、ママ掲示板とかママライターが書いたよくわからない記事しか出てこないことです。私が読んできたような論文に書いてあるようなことや本当の正しい情報がネットにない、というのはいかに男性が育児に入っていないかを象徴するエピソードだと思っています。


ーー子育ての話に次いで多かったのが、パートナーシップですね。

子供ができると、どうしてもパートナーシップについて悩む人が多いですよね。自分はちゃんと家事も育児もやっているのに、なんでうまくいかないんだろうとモヤモヤしている人が多いと思います。特にこのコロナの状況で、いつもはいない旦那さんとか家にいると、尚更のことモヤモヤとしてしまう。

どうしたら良好なパートナーシップになるのか。また、「自分のちゃんとが夫を不幸にしている」というのがどういうことなのか教えていただけますでしょうか。

パートナーシップの相談にはたくさん乗ってきましたが、多くの場合は「話し合っていないこと」が問題だということはよくわかりましたね。

「母が一番」ということを主人に受け取ってもらえなさそう、というような質問がとても多いです。

洗い物が嫌いなら「洗い物が嫌いだと言ったほうがいい」とアドバイスするのですが、「でも言ったらわがままだと思われそうで・・・」とか、「私も家事を外注に出したいので、夫にうまく刺さるような言い方を教えてください」みたいな質問も受けたりすることが多いのですが、なぜ私に聞くの?っていつも思っています。「旦那さんに直接聞いてください」って答えてしまいます。


ーーそうなってしまう背景って何でしょうか。

妄想じゃないですかね。

本当に世の中の人間関係のいざこざって99%は妄想や思い込みなので、話し合ったらだいたいクリアーになりますね。

さらに大体の人は、いきなり夫に「今日から洗い物しない!」と宣言してしまいます。すると、「じゃあ誰がやるの」って聞かれて、「やっぱりダメだ、私がするしかないんだ」と結論づけてしまう。

そうではなくて、まずは自分は洗い物が嫌いです、今育児が大変です、という今の自分の状況や気持ちを知ってもらうことです。まずは知ってもらって、夫に考えてもらう方がいいですよ。

男性というのは解決脳だから、解決法を色々と考えてくれます。あと大事なのは「誰がやるの」という一言を反対されたと受け止めてしまう人が多いのですが、それは「誰がやればいいのか」という解決に向かうステップを踏んでるだけで、反対していないということですよね。

ーーそこにずれが生じているってことですよね。


ーーこのコロナの状況で育休を過ごしている参加者に、メッセージがあればいただきたいと思います。

今の状況はチャンスですね。

確かに、コロナという病気が流行っているというデメリットはあるのですが、メリットに目を向けて欲しいと思います。

というのも、私たちは今パラダイムシフトの瞬間に立ち会っていますよね。今まで通りのやり方が通用せず、違うやり方を取り入れていかないと生き残れないのは皆さんもうっすら気づいていると思います。そんな状況の中で、育休中だからこそ、将来を見据えてゆっくり考えたり準備できるというのは大きなメリットですよね。この機会をぜひ準備に使って欲しいです。


【質問タイム】

【質問①】 「ちゃんとしなきゃから卒業する」ということは、自分をさらけ出すことだと思ったのですが、あさぎさんは自然にできているように見えます。

私も起業初期、ブログを始めた頃の記事では全く自分をさらけ出していませんでした。

さらけ出すのが怖かったですし、抵抗があったので顔写真も名前も出していませんでした。内容も私が書いている感じではありませんでした。

徐々に今のスタイルに変わっていった感じですね。「こんなこと書いたら炎上しちゃうかも・・・嫌われちゃうかも・・・」と思って書いたら意外と嫌われてなかった。というのを千回くらい繰り返しました。

ブログで炎上というのはほとんどないので、ブログを始めたい方はそんなに迷わなくて大丈夫です。


【質問②】旦那さんとの関係を維持するために普段から心がけていることを教えてください。

我が家の信念として、無理をしないというのがありますね。

夫の方が無理しがちなのでフォローすることもたまにあるのですが。

また普段から話し合っていることが大きいですね。全てを共有して全てを話し合っています。

目の前で仕事をしているので、仕事や悩みも大体一番に相談しています。一番のメンターですし、冷静さと解決脳でコーチングしてくれます。


対談終了後は、イベントで使用したオンラインシステム「ZOOM」のブレイクアウト機能で4人程度のグループに分かれ、①自己紹介②今日の感想のシェアを行いました。

参加者からは、「コロナでの自宅保育で、頑張らなきゃと思い込んでいた自分に気づけた」「手を抜いていいんだよと自分に声をかけてあげられた」「今まで古い固定観念に縛られてたことがわかり、育児への考え方が柔軟になった」といった感想をたくさんいただきました。


私が力づけられたのは、「育休中だからこそ、将来を見据えてゆっくり考えたり準備できるというのは大きなメリット」という言葉です。このコロナの状況下で、ランチや旅行どころか実家すら帰れない。支援センターも育児教室も閉鎖してしまって・・・と悲観してばかりでしたが、時代が変わるときにじっくり自分と向き合う時間があるのはありがたいことなんだと思えるようになりました。