【活動レポート】「緊急時の小さな子どものこころのケアを学ぼう講座」開催!

\地震などの緊急時、敏感に反応する子どものこころのケアについて学ぼう/

東日本大震災(3.11)から10年。未曾有の震災を振り返り、「あのような災害が起こったとき、自分達になにができるか?幼い子どもたちの心には、どのような反応があるのか」、子育て世代であるMIRAISメンバーで、“緊急時の子どもの心のケア”について学びました。

講師は、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレンの「子どものための心理的応急処置」認定講師で、臨床心理士・公認心理士の久保千晶さん。

MIRAISメンバー向けに、特に、乳幼児への対応について実例もたくさん踏まえながらお話しいただきました。

開催日の3月8日は、30名近くのメンバーがオンラインセミナーに参加。

そもそも、PFA(=サイコロジカルファーストエイド)とは、「深刻なストレス状況にさらされた人々への人道的、支持的かつ実際に役立つ援助」を意味します。

世界保健機関(WHO)などが支援者が共通して身に付けておくべき心構えと対応をまとめたマニュアル「心理的応急処置(PFA)」を、世界的に子どもの権利擁護のため活動してきたセーブ・ザ・チルドレンが、子どもと親や養育者に関わる部分を充実させた内容で作成したものが、「子どものための心理的応急処置(子どものためのPFA)」です。

内容はとってもシンプルで、「見る」→「聴く」→「つなぐ」という行動原則で構成されています。

「見る」:子どもの発達や子どもの反応を知り、子どもがどんな様子か見ること

「聴く」:子どもの話に耳を傾け、気持ちを落ち着かせる手助けと、子どものニーズをしっかりと聴くこと

「つなぐ」:支援が受けられるよう適切な機関に子どもを連れて行くなど、子どもが必要としているニーズに繋ぐこと

講座では、以下について教えていただきました。

①危機的状況にいる子どもが一般的に示す反応

発達年齢ごとに反応の違いがあること。大人が驚いてしまう「津波ごっこ」などの反応もあるけれど、そういった反応はよくあることなので拒否せず受け入れる、という対応方法を教えていただきました。

②「心理的応急処置(PFA)」を必要とする子どもの見極め方と、PFAの行動原則“「見る」→「聴く」→「つなぐ」”とは

必ずしもすべての子どもにPFAが必要ということではなく、災害などに遭っても状況にうまく適応できる子どももいるそう。PFAが必要な子どもに対しては、行動原則の「見る」→「聴く」→「つなぐ」でどうアプローチしていくかを学びました。

③ストレスを抱えている子どもとのコミュニケーションの取り方

子どもにストレス反応が出て、体が硬直してしまったり、手足の先が冷たくなってしまった場合、どのように緊張をほぐしていくのか教えていただきました。また子どもとコミュニケーションを取りやすくする工夫として、A4用紙とペンだけで簡単に作れるパペットの作り方も伝授いただきました。

メンバーからも「これならすぐできる!」「今日から子どもと会話するときに使ってみます」との声が。

講座終了後、参加メンバーから、

「PFAを学び、普段から心がけられる内容を平時に取り組んでおくことで、非常時にも自然と対応できるようになるのではと思った」

「大人が感じる小さなストレスも子どもにとっては大きなものであったり、それを見逃してしまうと更なる危害になってしまうことを学べた」

「日ごろから、もっと子ども子供たちと向き合って安心感を与えるのと同時に、愛情をもっといっぱい伝えていきたい」

と感想があったように、緊急時だけでなく、日常でも使える子どものたちとの関わり方について、深く学ぶ時間となりました。