11月17日(日)MIRAISイベントレポート(後編)

11月17日(日)、東京都渋谷区にある株式会社LiBのイベントスペースにて、同社 代表取締役CEO松本洋介さんによる【育休中&復職直後向け キャリアイベント】を開催しました。

もともとは、松本さん発信の【1on1キャリア面接】にMIRAISメンバーの多くが手を挙げて参加したのがきっかけ。「面接は出来なかったけれど、キャリアについて私も相談にのってほしい」「話が聞きたい」そんな声が多く集まり、今回特別に松本さんに話をしていただけることに!

集まったのは、育休を経て職場復帰をしたMIRAIS一期生と二期生のメンバー。

本日はその様子を前編・後編に分けてレポートします。


今回は後編。松本さんから、復職したワーママたちに送るアドバイスをお届けします!

―――復職したワーママの皆さんに伝えたいこと

(松本さん)今の皆さんに送るアドバイス、というところでいうと、会社が皆さんのことをどう見ているか、というのを理解することです。

皆さんが若手の人と比べて何が不利かというと「誰かを支えながら働いている」、ということですよね。誰かを常にケアしながら。それって実は構造は「介護」と一緒です。今後、親を支えながら、子どもを育てながら働く人はどんどん増えていきます。会社もなんとかしなくちゃ、と思っているので、会社も皆さんのことをネガティブには見ていない。

ただ、あまりそういう人たちに寄り添いすぎると、若手が「頑張らなくてもいいんですか」となる。いろんなバランスの中で会社も悩んでいます。

会社側から見たときに「このママさんは会社の味方だな」と思われるポジションを取る、ということなんです。

よく聞くのが、「私の職場にはあまり活躍しているママがいないんです。だから復職するのが不安なんです」という声。そういう会社はとても多いです。言い換えると、世の中の社長はもっと活躍するママのロールモデルを増やしたいと思っている。

そのときに、会社にロールモデルが「いないいない」と騒ぐ側なのか「私がロールモデルになりますよ」と手を挙げられる側なのか、どっちのほうが会社にとってありがたいのかは分かりますよね。会社も試行錯誤しながら制度をつくっていく中で「一緒に作りましょう」と言われるのはとても心強い。

「会社を働くママが活躍しやすい環境にアップデートしていく側に立つ」ということですね。

そういうポジションで社内でコミュニケーションしていったり自分のキャラクターを作っていくということは、普通の社員には出来ないこと。皆さんにとってはすごく有利です。このポジションの取り方はとてもおすすめです。

あとは、どうしても悩みが近いからそうなりがちなのですが、ママはママだけで固まらない方がいいと思っています。「ママの悩みが分かるのはママだけ」と言ってしまうと、対立構造になるんですよね。「ママ対会社」とか「ママ対独身社員」、「ママ対旦那」というように。それは絶対やってはいけないことで、もっと視座をあげてほしい。

「子どもや家族を支えながらでも従業員が長期にわたって働き続ける会社って、私にとっても会社にとってもWIN-WINですよね」、「私だけが悩む話でなく、会社と私で一緒に悩む話ですよね」答えは「その通り」です。この時点で当事者が2人になりますよね。社長としてもこの手の悩みは当時者なので。当時者を巻き込んでいく、ということは大事です。

――子どもがいる母親のベストな転職タイミングはありますか

(松本さん)お悩みのほとんどが、上司に伝えているか?自分のパフォーマンスが低い、など可変の場合はどこでも起こる。環境由来(不変)か自分由来(可変)なのかがポイント。

何人かにぶつけてみると良いですね。他者のフィードバックを得る。そういう行動は悩みではなく課題に向かって動いている前向きなものです。

(栗林)モヤモヤはするが走り続けている。多様な価値観がある時代なので、モヤモヤはして当たり前、モヤモヤは期限を決めたほうが良い。

(松本さん)専属コーチをつけるのは海外では当たり前。日本は悩みが少なかった。個の不安が大きくなってきたが、国もキャリアカウンセラーを増やそうとしている。

今の時代は自分の中の不安と戦う時代、ノイズがない時間を確保し、解決に向けて動く時間を増やすのはこれからの必須スキル。無意識にモヤモヤしやすい。正解がないことがほとんどです。

――ここでがんばると決め、転職をやめるのも選択肢の一つ?

(松本さん)今は、キャリアの中で戦いづらい時期かもしれない。ではいつが戦いやすいのか?限られた時間の中で自分の職能でどうアウトプットを出せるか?自分なりの答えが見つかった場合は転職しやすいのではないかと思う。もしくは限られた時間制約が少なくなった場合。企業としては働くママの活躍は欲しい事例ではある。


――質疑応答タイム

Q どんな能力が求められるか?

A 絶対解はない。人気の仕事・業界に行きたい人が多いが、ライバルも多い。生存戦略としてはライバルが少ない、ニッチなところに行く。想像している以上に色んな会社がある。会社と一緒に道を開くのが圧倒的に有利。コミュニケーションハブになる(こういう視座で過ごすと宣言する)。同族意識は良くない、対立構造を作る。このテーマに人を巻き込む、当事者を広げる(想像力の使い方、栗林:ワーママはヨコのつながりよりタテが弱い)

Q 可変不変について。自責を解決できる努力が今はしづらいので、ほぼ転職の方向。さまざまな要素を統合して測るやり方をお伺いしたい(例えば、今の職場だと時間制約は安心できるが、限られた時間で自分が成長できるのは転職先)

A 決断には正解がない。ポイントになるのは納得感の持ち方だが人によって違う。過去の意思決定パターンを振り返ってみればよい。

Q 再現性について。異業種、異業界になると不利なのか。再現性を伝えられるなら転職しているワーママもいるのか?

チャレンジした事例はたくさんある。面接で問われているのは「再現性」であることに気付くのが大切。例えば、ヨコテン(横展開)できるパターン、ポータブルスキルを棚卸して説明できるようにする。スペシャルティを要素分解したらヨコテンできるものがあると思う。


第二部は、グループに分かれ、ワークシートをもとに「話を聞いて感じたこと」「明日からどうアクションするか」をシェアしました。

トークセッション後、グループに分かれて感想をシェア

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イベントが終了して、参加者からはアウトプットが続々と集まりました。

・悩んでいたことがクリアになった

・転職エージェントにとらわれないニュートラルな話が役にたった

・ノイズを少なくして集中したい

・ワーママだけで固まらないよう意識したい

・自分の仕事をもう一度棚卸し、再現性まで落とし込みたい

など…。各々が明日から取り組んでいくべきアクションが見えてきた様子。

モヤモヤするのは当たり前!まずそんな自分を受け入れながら、でもモヤモヤから目を逸らさずじっくり向き合っていこう、そんな気持ちを新たにできたとても貴重な時間でした。

松本さん、ありがとうございました!


文責: 角 澄恵 、山本 知恵子