【活動レポート】育休、いいとも!番外編〜「すべての女性があきらめない社会を作るために」

★育休、いいとも!とは・・・

育休をユニークに過ごした人や、育休で人生を変えた人をゲストに迎えて、オンラインでお話をお伺いする会です。

今回は番外編としてこの育休コミュニティMIRAISを主宰している栗林真由美さんにお話を伺いました。

自身の育休中に「育休を有意義に過ごす人を増やしたい」という想いで1からコミュニティを立ち上げ、4月に復職されてからも運営を続けられています。この育休コミュニティの立ち上げにはどんな想いが込められているのでしょうか。

MIRAISメンバーから事前に質問を募っていたので、一問一答形式でお届けします。

栗林真由美さん

2児の母、 子どもは1歳と5歳(2019年4月に職場復帰済)。IT企業勤務。

2014年第一子出産。一度目の育休中は「子どもがいても思いっきり働く準備期間」とし育休プチMBA勉強会立ち上げ、ママボノプロジェクトマネージャーなどアクティブに過ごす。

2015年4月時短勤務で復帰。復帰後はこれまでとやり方を変えて新規プロジェクトマネージャーを自ら担う傍ら、社外でも自身の根幹の想いである「あきらめない女性を増やす」ために講演活動も実施。

社内で初めて時短勤務として昇格。

2018年2月第二子出産。二度目の育休中に「なんとなく育休をなくしたい」想いで同年8月に「育休コミュニティ」(現:MIRAIS)を設立

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「育休コミュニティMIRAISの立ち上げのきっかけは?」

一度目の育休中はママボノやプチMBAに参加して有意義に過ごすことができました。二度目の育休中をどうしようか考えた時に、今度は自分1人だけが充実するのではなく、育休中を有意義に過ごす人を増やしたいと思いました。

育休中にモヤモヤしてしまう原因は3つあると考えています。

1つは役割がなくなるモヤモヤ。会社の「●●部の△△さん」という役割を持って生活していたがそれがなくなってしまうこと。

2つ目は機会がなくなるモヤモヤ。仕事は大変なことも多いですが、自分が成長したり出会いを生んだりする機会でもあります。

3つ目は志をともに仲間がいないモヤモヤ。支援センターでもママ友はできるけど、赤ちゃんの髪の毛の話から始まる関係で、お互いの志を話すまでにはかなり時間がかかりますよね(笑)かといって急に「あなたの志は?」なんて急に聞かれてもひかれるだろうし。

この3つを解消するためにどうすればいいかを考えたとき、場所を問わず、いろんな価値観を持って集まるプラットホーム作ればいいのではないかと考えました。その形が「コミュニティ」でした。


「立ち上げにあたって大変だったことは?」

勇気を出すことです。

コミュニティの立ち上げをやるかやらないか、本当にできるのか?を1ヶ月は悩みました。実際に募集の投稿したのは8月31日だったのですが、この日は平成最後の夏で、これに乗り遅れてはいけないと思って(笑)

コミュニティを立ち上げるまではfacebookの使い方も詳しく知らなくて、逐一ネットで調べてました。


「第1期のメンバーはどうやって集めたのですか?」

1期のメンバー募集はfacebook投稿のみで行いました。

募集にあたって何か特別なことをしたわけではなく、自分がどういう思いでコミュニティを始めようとしているのか、という想いを正直に文章にし、投稿しました。

応募してくれる人は自分の知り合い9割、初めましての方1割だろうと予想していましたが、いろんな方に投稿をシェアしていただけたこともあり、実際集まったメンバーは知り合い1割、初めましての方9割でした。


「とても人脈が広い印象があるが、どうすれば人脈は広がりますか?なぜ人脈を広げるのでしょうか?」

まず人脈を広げるポイントは1つの所属に固執しないこと、いろんな人に会いにいくことです。また自分の思いを正直に伝えることも大切です。

例えば、支援金を提供していただいた未来シフト株式会社 代表取締役の鈴木実歩さんに支援の依頼をした時も、決して偽ることをせず、誠意をもって「自分はこんなことをしたくて、そのためにお力を貸してほしい」と伝えました。きっと過大にいうこともできたと思うのですが、その時の自分ができることは「誠実に対応すること」だったので、最大限にそのことに務めました。

次に人脈を広げる理由は複数の所属があると、外から客観的に自分がみられるし、いろんな価値観に触れることができるからです。

「答えは外にある」と考えていて、何か問題が起こったとき、その所属の中だけで解決しようとしても中々いい答えにならないというのが持論です。そういうときこそ外から問題を見て客観的に考えた方が解決しやすいと思っています。


「二度目の育休中に株式会社CRAZYでインターン。なぜインターンに参加されたのですか?またどんな学びがあったのでしょうか?」

育休インターンのきっかけはコミュニティだけをやっていることに限界を感じたことです。コミュニティの成長は主宰者の成長によって起こるものですが、コミュニティが走り出して一旦落ち着き始めた頃、外からの学びを入れて自分がジャンプアップする必要があると感じました。せっかくやるなら育休インターンの制度が初めからあるところより、自分が気になっているところに飛び込んでみたい。そこで以前からいいなと思っていた株式会社CRAZYの社長に頼んで参加することになりました。2019年1月中旬に挨拶に行って主に採用チームでの活動。また当時オープンしたばかりのIWAIのオープニングイベントのスタッフなども経験しました。

育休インターンでの学びは会社の理念がしっかりと社員さんに浸透していること、そのような会社は強いと感じました。


「コミュニティの立ち上げだけでなく、育休インターンにも参加するなどとてもパワフルさを感じます。うまくいかないことがあったときはそれをどうやって乗り越えているのですか?」

自分の時間軸を長く持って考えます。モヤモヤは今だけにフォーカスしているから起こるもの。10年後の自分ならどう感じるだろう、未来から見たらこの状況はどうなのかを考えます。

また広い人脈を作る方法のところでもあったように、問題のある所属以外の場所に出て考えることも大切にしています。


「仕事をしていく上で大切にしていることは?」

仕事でもコミュニティでも、誰かを幸せにすることを大切にしています。自分がやっていることが誰を幸せにするのか、目先の仕事をやっつけ仕事にせず、それが何につながっているかを考えています。

有名になりたい、人を追い越したいなどの、自分の欲のためにやることは大概つまらなくなる。自分のためだけにやっている人は魅力的じゃないし、周りから見てもすぐに分かりますよね(笑)


「周りの人をうまく巻き込んでいく方法を教えてください」

人は自分にメリットがないと動きません。依頼するときは人によって言い方、伝え方を変えることを心がけています。だから人のことをよく観察してコミュニケーション方法を知っておくことが大切なんですよね。私が会社に行く理由は実はコミュニケーションを取るためだったりします。一人で出来ることなんてたかが知れてるんですよ。仕事は一人で出来ないことの方が多いです。ワーママでありがちなのが少しでも早く仕事を終わらせておきたいから会社にいるときにガーーーって作業して「今近づかないで」オーラを出してしまっていること。これだと巻き込みたいときに人を巻き込めない。雑談レベルでもいいので会社にいる時間はしっかり人とコミュニケーション取ることを大切にしています。


「最後に、今後の展望とメッセージをお願いします」

今後の展望は自分が関わったことで諦めない女性が増やすことです。

こう考えるようになったきっかけは、ものすごく仕事ができる先輩が子どもができたのをきっかけにやめていってしまったことです。なんでそうなってしまうのか悲しく思い、この状況を次の世代に残すべきじゃないと考えたからです。どんな場所にいたとしてもこの展望を達成できるようにしていたいです。

MIRAISを立ち上げて、本当にやりたいことができたとき、過去の経験が全てつながったと感じる時があります。今モヤモヤしてるのもそこにつながるための通過点。立ち止まっていると感じても、やりたいことができたことにつながったと思える経験になります。無駄な経験はない。損して得とれ、短期的に得ではなくても、長期的に見れば今は損なことも得に変わります。

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「本当にやりたいことをやる」を実践して生き生きと活動し、自分のためでなく周りの人を幸せにするために行動している栗林さんの姿勢が、会社やコミュニティで多くの人を動かす原動力になっているのだろうと感じました。一番心に響いたのは「本当にやりたいことが何なのかを徹底的に考え、決めたら覚悟を持ってやる」ということです。育休を自分のキャリアを見つめ直す期間にしている人も多くいると思うので、ぜひこの機会にしっかりと考えて、またスタートした時に迷わずに進める準備をしておきたいですね。

栗林さん、ありがとうございました。そして今後ともよろしくお願いいたします。