高濱正伸(花まる学習会代表)× 栗林真由美(育休コミュニティMIRAIS代表) 産休・育休中に知っておきたい『ママが笑顔で子育てするためのエッセンス』

◆開催概要◆

日時 :2021年5月27日(木)12:15〜13:45

場所 :オンライン(Zoom)

対象 :産休・育休期間中の方

    ※産休を控えている方や、本内容にご興味がある方もお申込み可能

参加者:約200名

2021年5月27日、育休コミュニティMIRAISとして初めて「花まるおやこクラス(※1)」とタッグを組み、「産休・育休中に知っておきたい『ママが笑顔で子育てするためのエッセンス』」という対談イベントを開催、当日は約200名の方にご参加いただきました。

スピーカーは、花まる学習会代表の高濱正伸(たかはま まさのぶ)さんと育休コミュニティMIRAIS代表の栗林真由美(くりばやし まゆみ)。イベント前半は今回のテーマであるママが笑顔で子育てするためのエッセンスについての対談、後半は参加者からの質疑応答という流れで進めていきました。本レポートではその内容の一部を報告いたします。

※1 花まるおやこクラスは、花まる学習会の0~3歳児向け親子クラスです

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◆産休・育休者を見ていて、どんな悩みが多いなと感じていますか?

(栗林)大きく以下3つの悩みを抱えている方が多いなと感じています。

・コロナ禍で母親同士の横のつながりが希薄化し、孤独になりやすい。

・育休者向けサービスが充実しているからこそ、自分の興味の赴くままに、あれもこれも手を出してしまい、あわただしく過ごすうちに育休が終了してしまう。

・本当は家で我が子とゆっくり過ごしたいのに、周囲の人がイベントや習い事などへ参加していると、自分も何かやらなければと焦りを感じてしまう・・・など、周囲が気になって本来やりたかったことを楽しむことができない。

◆テーマ1:「そもそも、私はどうしたいんだっけ?」

上記のような悩みを乗り越え、満足した育休を過ごすために何ができるのでしょうか?

(栗林)育休コミュニティMIRAISでは仲間との対話を通して、自分が納得できる育休テーマを決めます。仕事をしていると当たり前にある肩書や役割から、一時的に離れた状態で「あなたはどう育休を過ごしたい?」と問われると最初はみんな困惑します。しかしながら育休を有意義に過ごすには、自分の「本当はどうしたい?」に基づいた自分の軸が明確であることが大事だと考えています。だからこそ、育休コミュニティMIRAISでは、仲間と壁打ちをしあいながら、1人ひとりが自分が本当に望む自分の軸=育休テーマを設定します。

(高濱)現代は、育休産休者に限らず、他者が決めた評価の枠組みにとらわれてしまうことで、素の自分は何をしたいかわからない、という方が多いです。だからこそ、本当の意味で幸せになるために、自分自身はどうしたいか=セルフが大事です。例えば、日記を使って自分を俯瞰する、気の許せる仲間と対話を繰り返すなどの手法で、自分の心に向き合うことができます。育児や家事で忙しい中だと思いますが、そういった時間はとても大切です。

◆テーマ2:パートナーシップ

産後はパートナーとの在り方に変化が起きることが多いと思います。パートナーとの関係がうまくいくヒントを教えてください、

(高濱)夫婦に正解はありません。そもそも相手は全く違う考え方をする存在として、“自由研究”の様にまず観察してみることです。自分と相手が全く違う生き物だからこそ、相手が幸せに感じる瞬間、喜びを感じる瞬間もまったく違いますよね。例えば、パートナーが幸せそうな顔をする瞬間を見極めてみる。それが分かるようになると、相手をもっと幸せにできるし、そのコミュニケーションがいつしか自分にも返ってきます。

また、夫婦といえど全く違う文化の中で育ってきているので、教育方針が違うことは当たり前

。子育て方針、しつけの決めごとは夫婦間でしっかりすり合わせて、言語化するとトラブルを回避できます。「家訓」のように、家の中の誰でも見えるところに貼り出すのもおすすめの方法です。

(栗林)私の経験上言えることなのですが、「私の苦労をわかってくれて当たり前、私の気持ちを察してほしい」となっているときに、パートナーとの関係は悪化しがち。夫婦であっても、考え方・感じ方は全く違う人間なので、相手に察してほしいという考え方はしないよう心がけています。パートナーに家事のお願いをするときは、しごく具体的にお願いするようにしています。

◆テーマ3:復帰後の子どもとの向き合い方

「復職したら子供との時間が減ってしまうのでは」と不安を抱くママも多いと思います。栗林さんは普段仕事と家庭の両輪を回しながら実際に子どもとの時間をどう作っているか、高濱さんは多くの家族を見て感じていることがあれば教えてください

(栗林)仕事と育児の両輪を回すのは大変ですが、私は子どもと心を通い合わせる時間を毎日持つことを意識しています。「1日5分」と時間を決めて、子どもと同じ目線に立って、他のことはすべてストップし思い切り遊びます。「大好きだよ」「いつもありがとう」など子どもへの愛情を手紙にしたためて、渡すこともあります。先日、小学生の娘から「沢山仕事をしているお母さんはキラキラ輝いてるよ!お母さんは、なんでもできて、なんにでもなれる、みんなとは違う大人だね」という内容の手紙をもらいました。忙しくても、私の思いは娘にしっかり伝わっているのだなと、本当に嬉しかったです。

(高濱)働くお母さんは、子どもと一緒に遊ぶ時間を十分取れないことを罪深く感じてしまいますよね。しかし、5分間でもぎゅっと距離を詰めて子どもと向き合えば、その子は23時間55分フルパワーで頑張れるんです。数多くの家庭を見てきたからこそ、それは自信を持って言えます!!兄弟がいる場合も、それぞれの子に1対1で向き合う時間を持つことがおススメです。

――― 質問コーナー(質問の一部を抜粋)――――

◆コロナ禍で親以外の人とのコミュニケーションをとる機会が減っており、教育上問題ないか不安です。どうしたらいいですか?

(栗林)オンラインのサービスを利用してできることが増えているので、まずは一つ探して試してみるのいいかもしれません。

(高濱)「コロナ禍だからできないことが増えてしまった・・・」と考えがちですが、ボードゲームや音読など、家でできる楽しい遊びは実はたくさんありますよ!この状況をポジティブに捉える親の姿勢を子どもも見ています。ぜひ親子で楽しんでみてください。

などなど・・・・

対談終了時刻ギリギリまで多くの質問を頂き、イベントは大盛況のうちに終了しました。子育て・夫婦関係のリアルな話が飛び交い、復職後も笑顔でいるためのヒントが盛りだくさんの対談でした。

育休期間は家族にとって、自分にとって大事な土台固めの時期。一人でも多くのママが、その時間を有意義に過ごし、自分らしく笑顔で前に進むためのヒントを掴んでいただけたら幸いです。

≪登壇者プロフィール≫  

◆高濱正伸

花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長、算数オリンピック委員会作問委員、日本棋院理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。 1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。『小3までに育てたい算数脳』、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』ほか、『算数脳パズルなぞぺー』シリーズなど、著書多数。講演会「親だからできること」など、年間約130講演を行う。これまでの参加者は、のべ25万人以上。「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」など、数多くのメディアに紹介されて大反響。週刊ダイヤモンドの連載を始め、朝日新聞土曜版「be」や雑誌「AERA with Kids」などに多数登場している。

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【zoom写真】

育休コミュニティ「MIRAIS」

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