【活動レポート】育休、いいとも!第5期vol.1「不安を打ち消せ!復職後に効く両立サプリとは?」

12月の「育休、いいとも!」のゲストは育休女性のためのオンライン・スクール育休スクラ代表(株式会社NOKIOO取締役)の小田木朝子さんです。

★「育休、いいとも!」とは・・・★

育休をユニークに過ごした人や、育休で人生を変えた人をゲストに迎えて、オンラインでお話をお伺いするイベントです。

通常はMIRAISメンバー限定で視聴可能なイベントですが、今回は特別イベントとして、MIRAISメンバーだけでなく全ての産育休者を対象にしたオープンなセミナーとして開催しました。

【ゲスト紹介】

●小田木朝子さん
静岡県在住。

小学6年生、2年生の2人の娘と夫の4人家族。

ウェブマーケティングの法人営業などを経て、NOKIOO創業メンバーとして参画。

教育研修事業担当役員。2011年、中小企業診断士資格取得。

2013年、自身の経験を活かし女性の社会参画支援事業『ON-MOプロジェクト』を立ち上げ、会員6,000名を超えるネットワークを育成。

2016年12月『一般社団法人 育勉普及協会』を設立。

2020年、オンライン教育サービス『育休スクラ』を立ち上げ、育休中の女性のためのスキル開発・オンラインを活用したキャリア開発の仕組みを、法人・個人向けに提供。

グロービス経営大学院修了。

Voicyで「今日のワタシに効く両立サプリ」を運営中。

当日はMIRAIS内外約140名の方にご参加いただき、対談の後には参加者同士が感想を共有し交流する場も設けました。

まずは大いに盛り上がった弊代表栗林と小田木さんの対談の様子をお届けします!

①家庭と仕事の両立についての期間や考え方について

家族を大事にしながら自分の仕事も大事にしたいという、いわゆる両立期は20年スパンで考えた方が良いと思っています。

だから両立については1、2年で何とか楽になるというような考え方よりも、「ここから10年、20年どうやって家族と向き合ってどんな風に自分の人生豊かにしていきたいか」を考えていくと良いと思います。

今日は、目先の復職が気になるという気持ちに寄り添いながらも、一方では、これから仕事をしながらどう生きていくのか?子供を持ちながら仕事を大事にしてもっと自分の人生豊かになるんじゃないか?という期待感を持ちながら話を聞いて頂けたらと思います。


②小田木さんは一人目・二人目どんな育休を過ごしていたんですか?

当時は子どもを持つことはハンディキャップになると思っていたので「何か武器を得ないといけない、武器は資格だ」と思い、資格取得に励んだんです。復職する時に資格という武器を得ていたらうまく両立できると思っていたんです。

仕事が好きなことと、子どもが大事というのは反比例しません。でも仕事が好きだし、働いている自分が好き、働く限りは楽しんでいきたいと思っていました。


ーーその武器は役立ちましたか?

それが全く役に立たなかったんですよ!資格勉強を否定してるわけではないですよ。

私の場合、知識はついたけど、復職後、自分が納得する働き方をしていこうとしたら、実務知識以外のものが必要だったと気づいたんです。


ーーなぜ武器が役に立たなかったんでしょう?

子どもを持つまでの私の働き方は「時間で何とかする。残業どんとこい。1人で抱え込む」っていう仕事のスタイルでした。目の前の仕事をこなすことで納得感や満足感、成長実感を得られていた為、「自分はなぜこの仕事がしたいのか、どんな人生を送りたいのか、キャリアを今後どう蓄積していきたいのか」といったキャリアを考えていなかったんですね。

これまでと同じような働き方(時間で何とかする)で復帰したら、時間的に制限があり、納得感も得られませんでした。

仕事から帰れば、家でも仕事が沢山あり自分だけがハンディキャップを背負っている気分でした。その当時は、周りに嫉妬、夫に嫉妬で、トゲトゲしていました。あんなに好きだった仕事が楽しいと思えず、なぜうまくいかないのか理由もわかりませんでした。

今思えば働き方を変えなかった事が理由なんです。

私の泥臭い経験から思ったことは、「出産を契機にして働き方、仕事の成果の上げ方を変えないといけない。変える必要があった。」ということです。

『自分ってどんな人で、これからどんな人生を歩みたいのか』、仕事を含めて考えておく必要があり、この二つは資格取得では手に入らなかったんですね。


ーー自分のキャリアをどうしたいかは育休中に考えた方が良いですよね。

はい、本当にそうです。当時の私がそれを知っていたら育休中に自分のキャリアについて考えることができたのに、と思います。


③【質問】仕事はそこそこで良くて、でも両立はしたいって人はどういう心構えでいたらいいでしょう。。。

キャリアというとハードルが高く聞こえますが、自分がどういう人間かという事をきっちりつかむ事が大事です。私の場合は、「仕事が好き。仕事の中で誰かの役に立てている自分がいるっていうのが幸せ。人生楽しいと思える。」という事です。

もちろん人それぞれ別の幸せポイントがあります。どういう想いを持つかというのではなく

「自分がどういう想いに幸せだと感じられる人間なのか」ということをつかむことがキャリアを考えることです。ゆるく仕事を続けたいというのも良いです。それが自分のものさしであり、それを受容することが大事。そこに自覚も持てるし、自分で選んだ選択だと言えるような心持ちでいられるということが大事だと思います。


ーー仕事はそこそこで良いと思うのであれば、「自分はこうである」というスタンス、軸が重要ということですね。


④なぜ育休スクラを立ち上げたのですか?

復職後、自分が納得する働き方をしていくには再現性のあるノウハウがあります「どうしたいのか自分なりに考える、一人で抱えて時間で解決する働き方を変える」といったように私はに何年もかけて失敗したり挫折したりして学びましたが、その方法を教える仕組みが必要なんだという思いがあり、育休スクラを立ち上げることにしました。


ーー「事故るのは一人で良いってことですよね?」

そうです!一定期間向き合えば、きちんと自分の中にインストールできるように。だから「スクール形式の学びの場だな!」ということで育休スクラを立ち上げるに至りました。


⑤復職後の失敗談ってありますか?

もう散々失敗談話しましたよね笑!夫婦の会話はやっぱり大事だなってことですね。

職場の人に嫉妬してたのと同じで、育休中に仕事に行く夫にも嫉妬していました。このイラつき・モヤモヤって「相手が自分のことを理解していない」という想いから出ているんですよ。

「私がこんな大変なことわかってる?仕事に対して不安な気持ちあるのわかってる?日中どんなに苦労してるか想像してくれてる?」っていうメッセージの裏返しが、イラつきに繋がっていたんです。

夫婦でお互いどういう家庭にしたいのか、お互いどういう応援をしたいのかについて話し合うことが大事です。

「察して、わかって」というのはダメ。察してもらっても大概ズレています(笑)。正確に察することを期待してはダメです。


ーー夫婦の対話、大事ですね。ただ、対話するなら夫婦二人どちらかが余裕のある時に対話するのが良いです。余裕がないと話し合いにならず余計にイライラしますから。育休中に話すのが良いですよ。


⑥時間的制約がある中で工夫していることはありますか?

まずは、自分が笑顔でいることが一番大事。無理にしんどい中笑うのではないです、「自分がどういう状態であれば笑っていられるのか」を掴む事が大事です。気合と根性で笑うのではなく、笑えるコンディションに自分を置いておく事。コンディションコントロールです!

夫との関係性も然り、仕事に対する満足度やチームの仲間との関係性も然り、家事育児の分担や睡眠も含めた疲労度などあらゆる要因に対して、どういう状態だったら自分が笑っていられるのか掴むことです。自分が笑えるコンディションに自分を置くような時間の使い方、パターン、関係の作り方をしていくのが大事ですね。「忙しい=大変」という訳ではないです。物理的な時間の忙しさよりも、気持ちのコンディションが大事です。関係性の充実度、その状態に納得できていたり満足していたりすれば、忙しくても笑えるものです。


ーー自分の機嫌は自分で取るというのは本当にそうですね。もう誰も自分のご機嫌とってくれる人いませんからね。


⑦ご自身の経験や育休スクラ、voicyの両立サプリを通して復職を控えている方へメッセージをお願いします。

一言なら「大丈夫だよ。」と言いたいです。

一人で抱え込まない、気合と根性で何とかしないように。それができれば大丈夫です。

モヤモヤをきちっと共有したり、自分だけでは気づけない視点を得られる「場」に身を置いてみる。一人で考えて何とかしようとするのではなく、外と繋がって情報を得る、自分だけで元気になれないなら刺激を得らえる仲間を見つける、励ましてくれる関係を作り、一人で抱え込まないようにするのが大事です。これって復職後も全部当てはまります。


⑧「一人で抱え込まず、気合と根性で何とかしない」って具体的にどういうことですか?

一人で悶々としていてもダメ。自分の外に出すっていうのが抱え込まない一つの例(抽象的だけど)。

場は大事ですね。会社でも家族でもない第三の場所。シェアし合える場所。イベントとかでも探せば何でもありますよ。

私の例で言うと、「復職に武器が必要。学ぶ=資格取得。育児はハンディキャップ→復職までに資格を得ないと!」というのは自分の過去から引き出してきた自分なりの答え。でもそれでは上手くいきませんでした。

悩んだ時「過去の自分の経験から勝手に答えを引き出さない」というのが「一人で抱え込まない」という事です。自分が納得する復職後の働き方の答えは、自分の持っている情報だけでは答えが出ないケースがほとんどなんです。

だから、悩んだら新しく繋がる、新しく情報を仕入れる、学ぶ。それに、自分の過去の経験や自分が大事にしたいことをミックスして自分なりの答えを出していく。

関係性で言えば、相手と対話して新しく知った相手情報に書き換えた上で、新しい関係をつくっていくことが大事です。


⑨パートナーシップについて

夫婦の対話で有効と思ったのは、「決定や想いの背景を共有しあう」ことです。

「なぜこうしたいのか」、「こういう背景があるから」というのを伝えるのが大事だし、有効です。

また相手に対しても、その背景にどんな想いを感じているのかを会話の中に含めていく事が手段になるし、定着・継続していくことができます。

私の場合、第二子の育休期間を半年にしようと思って夫に伝えた時に揉めたんですよ。その後対話して、「復職したい理由は子どもといたくないからじゃない。子どもは何よりも大事。でも、子育て自体には慣れてきたし、子どもにとっても保育園に行ってリズムを作るという事は悪くない。それに、私は働くことで子どもに対して笑顔でいられる。だから復職時期を早めようとしたんだ。」と背景を話しました。すると夫からは、「仕事を反対しているわけではない、むしろ働いて欲しい。ただ夫婦にとって最後の出産であり育休であるからもう半年取ることは長いわけではない。貴重な休みだからゆっくりしたら。」という事が言葉の背景だったという事が分かったんです。


ーーそれは解説を聞かないと伝わりませんね。

やはりその言葉の奥にある気持ちまで聞かないとわからないものだなと実感しました。


ーーそれは上司部下の関係でもありますね。

「〇〇しました。」という報告だけだと「え?聞いてない」となる。「△△があって~〜になるから〇〇しました」という報告があれば違いますよね。

ーー背景を勝手に相手に想像させず、相手の背景をちゃんと聞くのが対話ですね。

対談終了後は写真撮影を行いました。そして、オンラインシステム「ZOOM」のブレイクアウト機能で4、5人程度のグループに分かれ、①自己紹介②今日の感想のシェアを行いました。その後全体でも感想シェアを行いました。


参加者からは

「失敗談から学ぶというスタンスが最高でした。私も今日から子育てを20年スパンで考えようと思いました。気合と根性ではなく、環境整備で自分を笑顔にして勝負します」

「出産してからいろんな人に『周りを頼って。抱え込まないで』と言われてたけど、2人目出産するまでそれこそ気合と根性で乗り越えてきてしまった。。特に1人目の復職後は会社でも家でもイラついていたので、自分って事故ってたんだと改めて思います。2人になってもこれだと大事故になると思うので、今日のお話を心に刻みました』

などの感想を沢山いただきました。


小田木さんのvoicy『今日のワタシに効く両立サプリ』→https://voicy.jp/channel/1240

育休スクラ→https://schoola.jp/