【活動レポート】最強のパートナーシップを組んだ先に見えるもの 育休、いいとも!vol.4

育休いいとも!vol.4 最強のパートナーシップを組んだ先に見えるもの

★育休、いいとも!とは・・・

育休をユニークに過ごした人や、育休で人生を変えた人をゲストに迎えて、

オンラインでお話をお伺いする会です。

小さな子どもがいても、様々な方の生き方に触れられるようにとオンラインで企画

しています。

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★ゲスト夫婦プロフィール

●堀江由香里さん

「NPO法人ArrowArrow」代表理事。中小企業向け産育休取得のコンサルティング事業や、

女性管理職候補者向けキャリア研修、子育て期の再就職支援事業「ママインターン」を

手がける。

「NPO法人ArrowArrow」http://arrowarrow.org/

「ぶんハピねっと!」https://bunjihappy.com/archives/8007


●三木智有さん

「NPO法人tadaima!」代表理事。内閣府「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」委員。

家事シェアプロモーション事業を手がけながら、インテリアコーディネーターとして、

“子育て家庭のためのモヨウ替え事業”を展開。

「NPO法人tadaima!」 http://npotadaima.com/

「note 家事シェア研究家」https://note.mu/tomoari_miki

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今回の育休いいともは、主催のまゆみんが知る限り最強の「パートナーシップ」を組んで

いるだろうおふたり。4月の復職を目の前にして、私たちは家事の効率化や時短などいろいろな対策を講じている最中。

ところで「パートナーシップ」については?後回しにしがちだけれど実はとっても重要。

かつ、このおふたり、2021年に京都にて、夫婦で「未知なる未来にわくわくできる」を理念とした初等教育を行うマイクロスクールの創設を目指している。

「教育」は、子供をもつ私たちにとって気になるキーワード。

今回はおふたりの「パートナーシップ」の秘訣、そして学校創設についても伺いました。

レポートは、育休コミュニティメンバーによるインタビュー形式でお届けします。


※マイクロスクールとは?

文科省の認定をうけていないオリジナルの理念に基づいて作られている学校。入学の際は面談があるところが多い。

入れたら終わり、というのではなく、入学した後も子どもにどんな風に育ってほしいか、どう育てていくかの

親のコミットが重要な傾向がある。

2020年の教育改革に向けて、公立・私立以外の学校の選択肢も増えていくはず。


夫婦で学校を作る?


昨年(2018年)2月までは国分寺在住だったおふたり。娘さんが3歳になった昨年から、

これからの進路について考え始める。


知人から「子どもに小学校以降どんな教育をさせたいか?は3歳ころに方向性を決めておかないといけないよ」と言われたのがきっかけ。そこから、娘さんにどんな環境で学ばせたいか、を考えるように。

そもそも、このまま東京にいる意味ってあるの?も感じはじめる(お互い出張が多かったこともあり)。

そんな中、三木さんの実家の鳥取に気になる幼稚園があり、移住を決定(その後、移住先が京都に変更!理由は後述)。

その中でおふたりの理想とするマイクロスクール、東京コミュニティスクール(東京都中野)にも出合う。


(堀江さん)

学校を作ろうと思ったのは「そういう場所を作りたい」という思いから。

ただのインプットだけではない、探究やテーマ学習をメインにしたそんな「学び方」に私たち自身が魅せられたから。でも、自分たちの近くにそういった学校がない。だったら作ろう、と。私たちが考えるベストな場所を、娘が小学校に上がるタイミングで用意したい。その時は、彼女の選択も大事にしたいと思っている。


最初は堀江さんだけが取り組んでいたが、「そんなおもしろそうなことをやるのであれば一緒にやらなくては!」という思いが湧きあがり、三木さんも参加することに。きっかけは「楽しそうだったから」。


堀江さんが2カ月単身赴任?


4月から2カ月間、堀江さんが単身で東京コミュニティスクールにインターンに行くことを決めている。

三木さんでなく堀江さん?その決定に至った背景とは。

何の衝突もなく決まったそう。どちらかが現場で学ばないといけないよね、

であれば、関係性が出来ている堀江が行ったほうがいいよね、という話で終わり。

送りだせる理由は?

(三木さん)

パパが2カ月いないというのは、家庭によってはある。大変といえば大変だけど、それが

パパでないといけないとか、ママである理由はない。

仕事を辞めて「Tadaima」を立ち上げられたのは「結婚」したから。

「無職になっても私が稼ぐから」とパートナーが言ってくれたおかげ。

結婚するということは、両翼で飛べるということ。

お互いがチャレンジ したいことがあるときに実現できる関係性でいたいから。逆もしかり。


京都に移住、ってどういう経緯で2人で決めたの?周りの反対は?

もともと鳥取への移住が決まっていたおふたり。なのに年末に急きょ移住先を京都

(縁もゆかりもない!)へ変更することに。その経緯は?


(堀江さん)

三木さん実家の鳥取移住が決まっていたが、通わせたかった幼稚園の制度変更があり、通わせられなくなった(通わせたいと思う気持ちがなくなった)=鳥取に移住する意味がなくなってしまった。そんなとき、親友が京都にいたということもあり、おもしろそうな学校がたくさんあるという話を聞き、「京都に行こう」と唐突に三木に話をした。


夫婦間では堀江さんがもっぱらエモーショナル(感情的)担当。京都への移住話も、エモーショナルモードで三木さんに話したところ「かなり困惑している」様子を感じたとか。


(三木さん)

「幼稚園の制度変更」は、夕方のお預かりができなくなったのが懸念ポイント。前述で堀江さんが話した「通わせられなくなった」については、通えるための方法を探せばいい、と思っていた。いきなり移住場所を変える意味を感じられなかった。



堀江さんの提案に三木さんは即答できず、何日か時間をもらった。お互い感情的に話してはいい結果は出ないと思った。

まず、三木さん自身、場所は問わず、どこに行っても家族で楽しく過ごせるイメージはあった。大事なのはそこを決断するまでのプロセス。それをいいものにしないと「あの時あなたがこう言ったから」になりかねない。と思ったそう。

スマホに全部気持ちを書きだした。堀江さんの揚げ足を取りたいポイントがいっぱいでてきた。でも揚げ足をとるのは意味がない。お互いもう一度向き合って話すときは、「黙って口を挟まないで話を聞いてほしい」と伝えた。スマホに書き出した思いを1つ1つ伝えた。そのうえで、年末に家族で京都に行って幼稚園を見学し、移住を決めた。

お互いのコミュニケーションのタイプを把握していたので、揚げ足取り合戦にならないようお互いの距離を取りつつ話し合った。


(堀江さん)

周りの反対はなかった。相談はせずに事後報告型(笑)。ただ、1人娘なので、実家の両親とは割としっかりと話はした。

ArrowArrowの団体のメンバーに伝えるのは緊張した。その時のメンバーは3人とも心から応援してくれた。どうしたら続けられるか?を考えてくれた。

ArrowArrowが「選択肢の多い社会を作る」というビジョンを掲げていたからこそ、堀江さんの決断を応援したいと思えた、と後からメンバーに聞いたときは嬉しかった。


おふたりは、最初からうまくコミュニケーションが取れてたの?


(三木さん)

気持ちを察してほしいというタイプだった。実家も「察して文化」、仕事も職人さんと接することが多く「見て覚えろ」の環境で育った。けれど、堀江さんと出会い、「私はエスパーじゃない」と堀江さんからはっきりと言われ衝撃を受けた。もともとしゃべらない人って、何をどう話したら伝わるかに慣れていない。少しずつ少しずつ対話をしてきた。


(堀江さん)

大事なことになるとしゃべってくれない彼氏や夫の話はよく聞く。大事なことを話すのは核心をつけないといけない。ネガティブになることもある。けれど、話をしてもらうことで「話してよかった」と思ってもらえるように。そんな成功体験を積んでほしいと思っていた。


相手にむかついたとき、イラッとした時ってどうしてる?


(堀江さん)

その瞬間に感情をぶつけなことは気を付けている。なんでイラッとしたの?という気持ちを一旦整理してから話すようにしている。彼は私のことを傷つけるつもりで言ってないというのを念頭に置く。それも伝える。


(三木さん)

時間を置く。すると落ち着く。堀江さんから「今何か気に障った?」と聞かれることも多い。感情をぶつけられた方は、優先順位が「感情の処理」になる。そのせいで話の本筋がみえなくなることがある。怒りを蓄積させないで小出しに伝えていけば感情処理しやすい。


復帰に向けたコミュニケーションについて


方針を決めておく。夫婦のビジョン。

エマージェンシー対応が求められるときこそ、パートナーシップが求められる。

あと、復帰後の生活のシミュレーションはしていた。優先順位のすり合わせ。

復帰したらお互い余裕はない。どちらかが余裕がないとなかなか進まない。

育休中にある程度の土台を作っておくのがおすすめ。


このあと、お話を聞いた育休コミュニティメンバーとのQ&Aとなりました。

【質問】

Q.「堀江さんと娘さん」と「三木さんと娘さん」の関係性に差はないのですか

A.ない。 どちらかが死んでも今の娘の環境に差が出ないようにする、が夫婦ポリシー。


Q 何かをパートナーに相談するとき「私はこうしたいけどどう?」に対してだいたい同意

   はもらえる。   それはそれでよいが、できれば同意ではなく合意で進めたい。ポイントはある?

A.情報格差をいかに埋めるかが大事。子どものお世話の話の共有だけではなく、 家族のメールアドレスを作って情報をお互いが把握したり。 一番主体的になってほしい部分で情報を共有する。


Q.夫がやりたいことを応援できない。共感できない。 なぜならそのしわ寄せが自分に来るから。おふたりはどうですか?

A.堀江さんはドルオタww。いっぽう、三木さんはアイドルにうつつを抜かす人は嫌いな

   タイプ。でも、好きなことは人それぞれだから自分に影響なければ気にしないと三木さん。

    趣味を楽しんでいる人は、自分の時間ではなく相手の時間を犠牲にしているという認識を

   持っているかどうかが大事。その認識があれば、感謝の気持ちも持ち合える。

   仕事であろうと趣味であろうと同じ。いない時間には変わりない。許されるものでない。

   堀江さんは、自分が本当に外出したいスケジュールがあったときは自分でベビーシッターを

  お願いしたりするそう。【自分の時間ではなく相手の時間を犠牲にしている】

パートナーにその認識を持ってもらうには、例えば自分が子どもをパートナーに任せて外出したときなど「あなたのおかげで楽しかった、ありがとう」と感謝の気持ちを伝える。

パートナーに子どもを任せるのは不安、という人もいるが、やってみればなんとかなるもの。あれこれ細かく指示をして任せるよりも、ふわっとだけ説明してあとは任せる、というやり方がいい。


Q.将来のことを話し合うのがなかなか進まない。工夫している点は。

A あなたを追い詰めたいわけじゃない、状況をよくしたいから話し合いたいと伝える。 話がなあなあで終わらないために、ゴールを決めておくことは大事。



それぞれのパートナーについて、コミュニティメンバー同士でもチャットも大賑わい、  あっというまの2時間でした。 とても印象に残ったのは【結婚をするのは両翼で飛べるということ】という三木さんの 言葉。結婚・出産をすると、お互いのやりたいことをセーブしている、という意識に 陥りがち。お互いのやりたいことをめいいっぱいやれるようなそんな夫婦でありたいと思いました。


〈参考〉

おふたりが進めているプロジェクト

https://readyfor.jp/projects/21595?fbclid=IwAR27hHLIDpePxg_2YLd1hA8QhbVgd0-47Sv0R6ieOLMbNOUrn0rd_FuylK0